アグリゲーションサイトを活用した求人募集を検討しています。
indeedと求人ボックスって、どこがどう違うのですか?
派遣会社で長い間、採用担当をしています。
indeedも求人ボックスも両方使っていますので違いを簡単に説明させていただきます。
・求人ボックスについて
・indeedと求人ボックスの違い、優劣について
indeedはアグリゲーションサイトの1つです。求人まとめサイト(求人検索サイト)とも呼ばれます。
知名度やユーザー数から見たときに、アグリゲーションサイトの最上位は「indeed」と言われています。そして、次の立ち位置にあるのが「求人ボックス」と言われています。
indeedと求人ボックスは同じジャンルのサイトということもあり、いろんな場面で比較されがち。
何を基準に比較するのかは難しいところで、人によっても異なります。
本日は採用担当者の目線で比較してみました。
indeedと求人ボックスの比較(アウトライン)
まずは、indeedと求人ボックスの2つのサイトのアウトラインとしての比較です。
indeed(インディード)
Indeed社(アメリカにある法人)が運営をしているアグリゲーションサイトが「indeed」、それを日本向けにカスタマイズして現在、運用されているのが、日ごろ僕たちが使っている「indeed」になります。
アグリゲーションサイトについては、別の記事でも書かせていただきました。
2024年にindeed PLUSという商品がスタートして、indeedがアグリゲーションサイトではなく、本質的には一般的な求人サイトと変わらなくなりつつあります。
とは言え、位置づけはアグリゲーションサイトですので記事はそのまま書かせていただきました。
なお、日本で見ることのできる「indeed」は日本法人である「Indeed Japan」という会社が運営しています。
そのためサイトへの問合せなどはIndeed Japanに対して行います。
求人ボックス
indeedがアメリカ生まれのサイトに対して、求人ボックスは日本で生まれたアグリゲーションサイトです。
価格.comや食べログを運営する「カカクコム」が運営しており、「和製indeed」と表現されることもあります。
同じアグリゲーションサイトですので、indeedも求人ボックスも、サイトの構造や検索の仕方はよく似ています。
indeedと求人ボックスの比較(掲載案件数の違い)
検索ヒットする案件数に違いがあるのかを比較してみました。
・愛知県名古屋市
・正社員
indeed
indeedの検索軸は2軸設定、「正社員」検索はグレーのタブから選択する必要があります。
掲載案件数は5,875件です。(2023.12.22時点)
求人ボックス
求人ボックスは3軸設定なので、そのまま入力するだけで検索が可能です。
掲載案件数は41,359件でした。(2023.12.22時点)
掲載案件数についての結果【まとめ】
indeedは5,875件、求人ボックスは41,359件とかなり大きな差がありました。
ここまで差が大きいと違和感も感じざるを得ませんが、原因はいろいろ考えられます。
・求人ボックスのクローリングの幅がindeedより広い(案件を掲載しすぎ)
・求人ボックスは検索軸から外れた案件も多く表示している(周辺エリアまで表示、3つの検索軸すべてを満たすものだけでなく、1軸や2軸だけに該当するものも含んでいる)
名古屋市内だけで10,000件を越える正社員の事務案件があるとはなかなか考えにくいものです。
そういった点で見れば、indeedの方がより実態に近い案件数なのではないかと言えます。
追加の比較検討
1つの条件検索だけでは正確な結果は得られないので、違う点からもう一度調べてみました。
今度は、「事務・愛知県名古屋市中村区・正社員」とエリアを少し絞った形で検索してみました。
より広域なエリアでの検索でした。
indeed
名古屋市の結果(5,875件)→名古屋市中村区(9,571件)となりました。
求人ボックス
名古屋市(41,359件)→名古屋市中村区(7,547件)となりました。
indeedとは異なり、検索エリアを絞ったので案件数も減少しましたが、これが本来の形だと言えます。
indeedと求人ボックスの比較(そのほかの違い)
ここまではサイトの使用感だとか、大まかな情報を書かせていただきました。
ここからは採用担当として業務にあたる中で、いろいろな方から得られた情報を少し表にまとめてみました。
indeed | 求人ボックス | |
求職者からの知名度 | とても高い | あまり高くない |
月間ユーザー数 | 約4,500万 | 約850万 |
求人募集会社からの知名度 | とても高い | あまり高くない |
クリック単価 | 高騰の傾向 (平均100円以上) | 低い水準で安定 (平均100円以下) |
求人に対する反応・応募数 | それなりにある | やや少なめ |
応募の安定感 | それなりにある | あまり安定しない |
管理画面の使いやすさ | 使いやすい | 使いやすい |
運営会社の原稿チェック | やや厳しい | 厳しい |
自社求人サイトとの連携審査 | 厳しくない | 厳しめ |
【本記事のまとめ】採用担当者目線であればindeedが「秀逸」、求職者目線であれば求人ボックスが「やや秀逸」
掲載案件数が多い求人サイトの方がユーザーとしては使い勝手がいいのは確かなことです。
求職者ユーザーの目線に立てば、indeedよりも求人ボックスのほうがやや優位だと思われますが、そこに大きなメリットがある訳ではなく、実質的にはほとんどメリットはないのが実態です。
アグリゲーションサイトとして、圧倒的なユーザー数・閲覧数を誇るindeed。
2番手にある求人ボックスとの差は約5倍と大きく開いています。
一時期は求人ボックスが首位になるのではないかという期待もありましたが、その差は年々縮まることがなく、一定の差として開き続けているのが現状です。
求人募集をする会社としてはまだまだindeedを中心に戦略を立てているところが大多数です。
登録ユーザー数もindeedの方が圧倒的に多く、求人サイトとしてはユーザー数に優るものがないからです。わざわざシェア率の低い方にあえて積極的に広告費を投下しないのは当然の結果です。
求人ボックスのメリットとしては、
- サイトが見やすい
- 日本人の嗜好にあったサイト構成
- 女性応募者に強い
といったものが挙げられます。
indeedが首位にあるから求人ボックスに対して投下しなくても良いということでもありません。
indeedのみ、求人ボックスのみ、というようにどちらか1本に絞るのではなく、やはり併用が望ましいでしょう。
これは会社側にも求職者側にも言えることです。
・求人ボックスの特徴
・indeedと求人ボックスの違い
・indeedと求人ボックスの優劣
・indeedの運営はIndeed Japan(リクルート子会社)が、求人ボックスの運営はカカクコムが担当
・同じ軸で検索をした場合、求人ボックスの案件表示はindeedより明らかに多い
・ユーザー数だけで言えば、indeedが1位、求人ボックスが2位
・ユーザー数以外の面でサイトの明らかな優劣は付けられない
・会社も求職者も両方のサイトを併用・活用すべき
本日は以上です。