採用に関わる仕事をするうえで、間違いなくポイントの1つだと言えることが応募のあった人への連絡だったり、最終的に入社まで至る人の歩留(率)だったりします。応募者とのやりとりって母集団の形成以上に労力がかかるものです。また、かけた労力に見合った分だけの結果が得られず、採用担当の人の永遠の課題となることも多いです。面接前の離脱率ってどれくらいなのか、どうやって離脱率を下げていけばいいのかということについて記事を書きます。業種や職種によっても大きく異なりますので、参考程度にお読みいただければと思います。
目次
どういった分析をすればいいの?
業種や職種によっても異なると思います。筆者は人材サービス業(人材派遣・業務請負)に在籍していますので、基本的には離脱率は高めの傾向にあるものだと思っています。
月ごとにデータ集計をする中で大事にしているポイントは3つあります。
- 応募申し込みの総数
- 面接を実施した数
- 入社に至った数
これらの数値に月次でかかっているコスト(広告費・人件費などの総額)を組み合わせることで、採用効率の良し悪しが見えてくるのです。PDCAサイクルを回すうえでは、ごくごくふつうのことだと言えます。
本日の記事は、特に①応募申し込みの総数、②面接を実施した数に注目したいと思います。
単純に応募100件、面接30件であれば、面接率は30%となります。面接に至らない理由ってなにがあるのかという要因をよく考えて、改善していきましょうということです。
実際、どれくらいが平均相場なのか
全部の会社さんに確認をしたわけではありませんので、正しいか正しくないかの確認はできていません。そもそも基本的に、会社の数字については教えてくれないところの方が多いはずです。
求人メディアの会社に確認すると、面接実施率の平均は30~35%ほどだと言われています。ただし、人材業界についての数字です。
僕のところは40~45%ほどありましたが、インターネットでの求人広告展開が増えることに対して反比例する形で面接実施率が悪くなっていきました。
ここ半年間の平均は30%で落ち着いています。
先ほどの平均値(と言われている数値)と比べると、ほぼほぼ平均通りと言えます。
面接率が悪い原因ってどこにあるのか
面接率を悪くする要因っていったいどこにあるのでしょうか。
こればかりは個々のケースによって原因が異なりますが、だいたい想定されることを並べておきます。
求人メディア自体に問題があると思われるケース
- 一括申込みで、1度に十数社の面接申し込みができるため自社に対する優先度が低くなってしまっている
- 通信エラーなどで応募者情報が届いておらず、応募が会社で受理されていない
会社側に問題があると思われるケース
- 応募に対するレスポンスが遅く、応募者が逃げてしまっている
- 応募者に対する追いかけ回数が少ない
- 社内連携ミスで応募者情報の共有がどこかで切れてしまっている
- 応募の段階で特定の人にしか面接日時の連絡をしていない(実質的な書類選考)
求職者側に問題があると思われるケース
- 求職活動に対するモチベーションがそもそも高くない
- 会社からの着信やメールに対して返答をしていない
- 決められた面接日時に訪問しない
- 同じ会社に何度も応募しているため、会社側も面倒くさくなってしまい連絡が来ない
こういったところの要因がほぼ大半だと思います。
会社側は何をすればいいのか
求人メディアに関することや、求職者に関することは、会社側ではなかなか手の打ちようがありません。
でも、会社側で最大限努力することも出来ますし、やるべきことって実はたくさんあります。
定番と言えますが、よく言われることとしては、
- インターネットから応募があれば情報受信後30分以内に一次レスポンス
- 電話がつながった場合はその場で面接設定まで行うワンストップ対応
- 電話がつながらない場合は1日3回×5日間=15回程度の追いかけ推奨
- 電話とメールでのダブル追いかけ推奨
- LINEでも面接設定まで行えるフローづくり
- 面接日前日にはリマインド電話またはメール
- 即面接、即採否決定の推奨
- 履歴書不要でも面接実施可能な体制づくり
- オンライン面接の実施
これらのことが出来たから、必ずしも応募者の面接前離脱を防げるわけではありません。でも、やるべきことはたくさんあります。これだけのことが全部できて、それでも離脱率が高い場合は改善は不可能ということになります。
【まとめ】平均離脱率は70%?会社側で努力すべきこともたくさんある
先ほど、会社側で出来ることはたくさんあると書きました。
いくつかありますが、基本ポイントとしては、応募者最優先のスタンスです。
- 折り返しはできるだけ早く
- 捕まるまで、しつこく連絡
- 連絡は1回で完結
- 応募のハードルはできるだけ下げる
これらのスタンスを忘れず、まずは面接実施率40%を目指すといいです。一般的には低いように思いますが、40%というのはなかなか出せる数字ではありません。
本日のまとめ 本日は面接前に起こる応募者の離脱について書かせて頂きました。人材業界では面接率は30~35%くらいが平均だと言われています。100人の応募があっても、70人は面接に至らないと考えると、とても低い水準のように思えます。でも、業界全体としてみれば平均的なところになります。求人メディア、求職者にもそれぞれ要因はありますが、そこの改善は僕たちではできません。会社側の要因をうまくとらえて改善をしていきましょう。応募者最優先のスタンスが大事です。
本日は以上です。

ひーすけ主任
- 会社説明会3,000名
- 面接1,000名
- 電話応対25,000名
人材会社に在籍しています