営業時間外や休日の求人応募者へのチャットボットの必要性

営業時間外の求人ネット応募が多いです。対応システムを導入すべきですか?後日の電話対応でも大丈夫ですか?

アドバイスさせていただきます。

この記事の内容
 ・営業時間外の応募者はどうやって対応しているの?
 ・休日のネット応募に後日電話するのですが、なかなか連絡がとれないのではないですか?
 ・休日のネット応募者に対して何かいい方法はないですか?
 ・応募対応の自動チャットボットって有効なの?
 ・チャットボットなどのシステムは導入すべきなの?

僕はアウトソーシング事業の会社で採用全般の担当をしています、ほかに担当はいません。

人材派遣や業務請負といった人材ビジネスをアウトソーシングと言います

採用部門の応募してくれた人への対応や面接は1番のルーティン業務です。

最近はネット応募の比率が大きく増え、それに合わせて時間外のネット応募も相当あります。

応募時間外に応募してきた人の離脱を減らす役割を持つのがチャットボットシステムです。

チャットボットの提案を受けたので紹介します。

今回の提案内容

どんな会社にも営業時間はあります。

仮に年中無休・24時間営業の会社や店舗であっても、採用部門が24時間稼働していることは稀なはず。

応募者の取りこぼしを少なくするためにチャットボットを導入しないかというものでした。

チャットボットを導入するメリット
・手間のかかる応募対応業務をロボットが対応してくれるので採用部門の工数削減に繋がる
・営業時間外に応募してくる人の取りこぼしを最小限に抑えることができる
・仮に採用スタッフが24時間稼働している場合は、人件費の削減ができる

本当にそのように言えるのかを検証してみます。

特に「②営業時間外に応募してくる人の取りこぼしを最小限に抑えることができる」に注目します。

社内の身近なところで出た意見で、僕も少し同じ認識を持っていることがあります。

会社の営業時間は、だいたい9~19時くらいが一般的。

それ以外の時間に仕事の申し込みをしてくる人って一般常識の面で、疑問も感じます。たしかに在職中の人や夜勤従事者も一定数は存在していて、どうしてもズレた時間帯に応募せざるを得ない人もいます。統計的には、深夜・早朝帯のような非常識ともいえる時間帯に応募してくる人が採用に繋がる可能性は、実は低いのではないですか?

採用に関わる人の率直な意見聞き取り調査から(とくに電話応募)

ただし、これは電話での応募に言えることです。

今回の提案は、あくまでもネット応募に関してのことなので、こうした意見は気にしないことにします。

ネット応募は24時間受付可能と求人メディアに記載する会社も多くありますので、やはり電話応募とネット応募は分けて考えるべきだと言えます。

受付担当としての課題は折り返しの電話が繋がらないこと

応募受付の対応業務にも、大変なところはいくつかあります。

会社に対して気を遣うべきこともたくさんあります。

一番大切にしていることは、やはり「歩留」。

1名でも多くの応募者を採用に結び付けていけるのが理想ですが、これがなかなか難しいのが実情です。

応募者との接点だけを考えた場合、1回目で応募者と連絡が取れるかどうかが重要になります。

とはいえ、連絡が取れない人がとても多く、毎月かなりの数の離脱といったデメリットがあるのが実情です。

このデメリットは、インターネットの普及が原因とも言われています。

・24時間、自分の好きな時間にインターネットから応募ができてしまう
・いろんな会社に一括で申込みができてしまう
・簡単に申し込みができてしまう

こういう理由があって、連絡が確実に取れる応募者が少ないのです。

では、営業時間外にインターネットを通じて応募がある人は、本当に連絡が取れないのか・取れにくいのかを検証してみました。

1週間の応募状況

実際に応募のあった時間帯の分布を見てみます。

母数も限られていますし、長期間のサンプリングではありませんので、参考程度に見て下さい。

時間外の応募が確認できるのはインターネットからの応募だけです。

僕が対応したインターネットからの応募者数なので、電話からも申し込みについてはノーカウントです。

曜日0~9時
【早朝時間帯】
9~19時
【営業時間帯】
19~24時
【深夜時間帯】
 月曜日 3(1)9(7)3(1)
 火曜日 4(2)5(1)1(なし)
 水曜日 1(1)5(なし)4(1)
木曜日4(なし)8(3)5(1)
金曜日2(2)4(3)4(1)
土曜日2(1)2(1)1(なし)
日曜日1(なし)6(2)2(なし)
各時間帯ごとのネット経由の応募詳細
カッコ内は最後まで連絡が取れなかった人の数です。

もう少し見やすい表記に変えてみます。

曜日0~9時
【早朝時間帯】
9~19時
【営業時間帯】
19~24時
【深夜時間帯】
月曜日3(33.3%) 9(77.8%)3(33.3%)
火曜日4(50%)5(20.0%)1(0%)
水曜日1(100%)5(0%)4(25.0%)
木曜日4(0%)8(37.5%)5(20.0%)
金曜日2(100%)4(75.0%)4(25.0%)
土曜日2(50.0%)2(50.0%)1(0%)
日曜日1(0%)6(33.3%)2(0%)
 週合計 17(50.0%)39(43.6%)20(20.0%)
曜日・時間帯ごとの応募数(連絡が取れなかった人の割合)
応募状況から分かったこと
営業時間外の応募者だからといって、連絡が明らかに取れにくいということはありませんでした。

「時間外の応募=連絡が取れない人」と結論づけることはできませんでした。

逆に意外だったのは、営業時間中のネット応募者の連絡が取れない確率がとても高いことです。

仕事が始まる前や終わった後で応募してくる在職中の人も一定数います。

そういった方は比較的、連絡が付きやすく、数字を底上げしていることも考えられます。

【まとめ】時間外の歩留改善のためだけにチャットボットシステムを導入するのはNG

営業時間外の応募の歩留を改善するためだけにチャットボットを導入するのは好ましくありません。

営業時間外だから歩留が悪いわけではありません。

時間外よりも、営業中の歩留の方が悪いケースのほうが多いくらいです。

まずは社内で様々な観点からデータを取って、比較検討してみることをオススメします。

チャットボット導入よりもまずは応募受付、面接フローの方に改善すべき点が多いものです。

導入には費用もかかりますので、慎重に検討していきましょう。

本記事のまとめ
 ・応募の歩留を改善するためのチャットボットシステム
 ・おもに営業時間外の応募対応のためにつくられたシステム
 ・営業時間外のネット応募だからといって歩留が極端に悪いということもない
 ・営業時間外の歩留改善のためだけにチャットボットを導入することはあまり好ましくない
 ・チャットボット導入の前に社内で細かなデータを取ってから導入を検討すべき

本日は以上です。

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