産業雇用安定センターという公益財団法人があると聞きました。
どういった活動をしている財団法人なのですか?
採用担当者という立場上、少しだけつながりがあります。
かんたんに解説させていただきます!
本記事の内容
・産業雇用安定センターについて・ハローワークとの違い
・利用するメリット・デメリット
少し細かい内容になりますので関心のあるところだけお読みください。
産業雇用安定センターについて
産業雇用安定センターの概要については過去記事にも書かせていただきました。
公益財団法人とはいっても、民間企業の1つの形式です。
ハローワークと同様に、企業(求人者)と人(求職者)の仲介、橋渡しをする公益性の高い業務を行っています。
センターとハローワークの違い
産業雇用安定センターとハローワークとの細かい違いを表にしてみました。
産業雇用安定センター | ハローワーク (公共職業安定所) | |
運営主体 | 民間企業 (公益財団法人) | 厚生労働省 各都道府県の労働局 |
設立 | 1987年 労働省・日経連・産業団体などの 共同出資により設立 | 1947年 労働行政機関として設立 |
設置 | 基本的には各都道府県に1拠点 | 複数の行政区につき1拠点 出張所や派生機関も多数存在 |
目的 | 「失業なき労働移動」を支援 | 雇用の安定を図る |
職員 | 民間企業からの在籍出向者が多い | 国家公務員 嘱託社員のスタッフも多い |
対象求職者 | ①会社に在籍をしている人 ②離職1年以内の人 | ①離職した人 ②会社に在籍している人 |
求職者の年齢 | 60%が50代以上 とくに55歳以上の割合が高い | 60%が40代以上 |
ポイント | 在籍している人の再就職や出向などの 支援をメインに展開している | 離職した人に対する保険手続きや 就職斡旋をメインに展開している |
求人票 | センター所定の書式様式 | ハローワーク所定の書式様式 |
ポイント
産業雇用安定センターとハローワークの一番の違いは対象者です。センターは「失業なき労働移動」を目指しており、いろいろな事情により出向者となる方や会社の支援、再就職に対する支援が活動ベースにあるため、そのぶんユーザー年齢も高めです。50代以上の求職登録者が60%を占めます。
また、最近はセンター自体が自己登録での求職者登録を受け付けるようになってきており、ハローワークとの違いがますます薄くなくなってきているのもポイントです。
センターを活用するメリット・デメリット
会社側の目線でメリット・デメリットを書いてみました。
メリット
・無料で利用することができる・ハローワーク同様のサービスが受けられる
・各都道府県に拠点がある
・職員が民間企業出身なのでいろんな意味でバランスに長けている
・会社側の求職者に対する要望事項などの聞き取りをきちんとしてもらえる
・副業(雇用型)の支援にも着手している
デメリット
・独自の求人票フォーマットに入力するのが手間・出向や再就職がメインであることも影響して求職者の年齢はけっこう高め
・実質的にはハローワークとあまり変わらないが、規模感としては小さい
・募集案件数も登録者数も母数は大きくない
・副業(雇用型)スタッフの労務管理の難しさ
主要なところとしては以上のような内容になります。
【本記事のまとめ】産業雇用安定センターは出向や再就職支援に強みをもっている団体
産業雇用センターは公益財団法人として再就職支援や出向の支援をおこなっています。
ハローワークと似た事業内容ではありますが、細かいところを見ていけば違いはたくさんあります。
センターの規模感は大きくありません。
ただし、最近のセオリーは幅広く募集をかけることにありますので、母集団形成の一環として考えてみてもいいでしょう。
本記事の内容(もう一度)
・産業雇用安定センターについて・ハローワークとの違い
・利用するメリット・デメリット
本記事のまとめ
・産業雇用安定センターは「失業なき労働移動」を念頭に掲げた事業展開をしている・センターは在籍している人の再就職や出向などの支援がメイン
・ハローワークは新卒者の就職斡旋、離職した人に対する保険手続きや就職斡旋がメイン
・センターのメリットは民間企業出身の職員のバランス感覚、会社側の求職者に対する要望事項などの聞き取りをきちんとしてもらえること
・デメリットは規模感の小ささ、登録求職者の年齢が高め
本日は以上です。