採用手法のベースはindeedと自社採用サイトの2本で十分?

僕は人材サービスの会社に勤務しており、そこでの経験がベースとなっております。業界や業種によって、セオリーとなる採用手法は異なります。すべての求人募集に通じるものではありませんのでご注意ください。あくまでも参考程度にお読み下さい。

うちの会社では求人募集に苦しんでいます。人材不足感も強くなってきており、今後、もっと採用を強化したいと考えています。どこから手を付けたらいいですか?アドバイスが欲しいです。

僕は人材サービス事業の会社で長い間、採用担当者として働いています。今は、おもに母集団形成の役割を担当しています!すべての業界に通じるわけではありませんが、比較的スタンダードだと呼ばれていることをお伝えします。

本記事の内容
✅最近の採用手法のトレンド変化

✅採用における自社サイト(オウンドメディア)の活用

✅オウンドメディアを通してできること

✅オウンドメディアを使うメリット・デメリット

✅indeedについて

僕が採用を担当し始めるようになってから、すでに22年が経過してしまいました。約20年のあいだで、採用トレンドの変化をいくつか経験してきました。変化点をその時期で強く意識したことはなく、後になって考えれば「変化点」だったなと思うようになりました。

  1. 求人誌から求人サイトへのトレンド変化
  2. 採用におけるPDCAサイクルの確立・運用
  3. 求人メディアにおける課金の変化
  4. 自社採用サイト(オウンドメディア)の活用
  5. indeedという求人サイトの台頭

大きな変化点を挙げれば、これらの5点と言えます。

トレンド変化① 求人誌から求人サイトへのトレンド転換

インターネットが普及するよりも前は、「求人誌」を活用した採用活動がトレンドでした。今の若い世代の人にはなかなか想像が付かないことかもしれません。求人誌に掲載して、とりあえず応募が来るのをひたすら待つ時代でした。求人誌に掲載したとしても、応募をしてもらえる・してもらえないは、何よりも「運」が先行していたと言えます。

  • 特定の求人誌を応募者の手にとってもらうのは「運」
  • その求人誌の中で自社の原稿が掲載されているページが応募者の目に止まることは「運」
  • 開いたページの中で自社の原稿に目が行くことは「運」
  • その原稿を見て、選んでもらった上で応募してもらうこともある意味では「運」
  • そのページに掲載される他社の案件は、ある意味では「運」という要素で選ばれる

そのために、企業として「運」を最大限上げるように取り組むべきセオリーがいくつか存在していました。

うちの会社は、とにかく大きな原稿で毎週のように繰り返し掲載していました。多額の経費は掛かってしまいましたが、応募獲得のためには仕方ないことでした。同じ日に発行される複数の求人誌を併用して掲載していたこともたくさんあります。

自社の求人原稿を発見してもらえる確率を上げる点では、きわめて重要な取り組みだったと言えますよね!

掲載場所、待遇・原稿の見た目など、他社よりも目を惹く掲載を心がけていました。イラストではなく写真や原稿自体のカラーにも気をつけて求人原稿を作成していたこともあります。

自社の求人原稿を発見してもらえる確率を上げる、求人原稿を見た人が他社の案件ではなく、自社の案件を選んで応募してくれる確率を上げる点では重要な取り組みだと言えます。

やっぱり総論で言えば、基本的には「運」の要素の方が強いと言えるのです。

また、求人誌はアナログなので精度の高い分析をするのにしても限度があります。掲載が終わった後に、正確な分析ができず、次に繋げていくことが非常に難しいのです。結果的に、インターネットの普及が採用活動に大きな変化をもたらしたのです。

インターネットのなかでも、とくにスマートフォンの普及がもたらした影響は大きかったですね。ハード面でもソフト面でも大きく進化して、いろいろな角度から分析をすることが可能になりました。

採用における分析のポイント
・サイトアクセス数、求人原稿の閲覧数
・応募獲得できた数(コンバージョン数/CV数)
・応募数、閲覧から応募に転換できた数
・応募離脱のポイント

こういった点が主なものとなります。こういったことそれだけではなく、だいたいの年齢や性別、そしてどこから飛んできて今回の求人サイトを閲覧をしているかといった分析も可能になったのです。非常に便利なものです。

トレンド変化② 採用におけるPDCAサイクルの確立・運用

前項の内容と少し重複する部分はありますが、求人誌が主流のうちの分析は正直大した内容ではありませんでした。分析が曖昧なものなので、結果的にPDCAサイクルも精度が低く、大した内容ではないため、とても「運用」と呼べるものではありませんでした。

求人誌掲載におけるPDCAサイクルの一例です。

  1. いくつかの求人誌に掲載をしてみる
  2. 反応(応募獲得)のチェック・確認
  3. 反応が良かったところは引き続き掲載
  4. 反応が悪かったところは次回の掲載すべきかどうかを検討

といったことや、

  1. 同じ求人誌のなかで大きさやデザインを変えて掲載してみた
  2. 反応(応募獲得)のチェック・確認
  3. どういった原稿の反応が良かったのかを検証
  4. 次回の掲載に生かす

といったことが挙げられます。

求人誌に掲載した後の結果分析では、数字で把握できないことも意外と多いもの。数字で確認できないということは、データに基づかない直感だとか感覚的なものが含まれるということです。インターネットが普及・進化することで、いろいろな細かい分析が可能になったのです。

正確な分析ができることで、より緻密なPDCAサイクルが運用できる。だからこそ、良い結果に繋げられる可能性がぐんと上がるということになるのです。

トレンド変化③ 求人サイトの本質が大きく変化

求人サイト自体も、以前と比べて大きく変わってしまいました。サイトが変わったというのは、正確には求人サイトの本質が変わってしまったということです。

うちの会社は、とにかく大きなスペースを使って毎週のように求人誌に繰り返し掲載していました。多額の経費は掛かってしまいましたが、応募獲得のためには仕方ないことでした。同じ日に発行される複数の求人誌を併用して掲載していたこともたくさんあります。

求人サイトにトレンドが変わって長期掲載が基本になりましたよね。その代わりに、1回あたりの掲載金額は求人誌に比べるととても高くなってしまいました。

運営歴が長いことで著名な求人サイトは、ベンチマークとされがちです。

  • タウンワークネット
  • リクナビNEXT
  • とらばーゆ
  • doda
  • はたらこねっと
  • バイトル
  • マイナビバイト
  • マイナビ転職
  • en転職

これらのサイトはあくまでも一例ですが、たくさんの業界・業種が閲覧できるオールラウンダー的な求人サイトだったり、特定の業種や業界に特化した求人サイトだったり、いろいろなものがあります。インターネットの黎明期から運営されている求人サイトから、まだ歴の浅い求人サイトまで乱立するようになってしまいました。

人口が減ってきてしまい、募集から採用まで難しい時代になると、キーポイントとして目を付けられてしまうのは求人広告費。応募すら獲得できず、コスパが悪い求人サイトに対して広告費を払い続けることに対して不信感が出てきてしまいます。

広告掲載にはかならず経費が掛かってしまいますが、いろいろな面を自社で運営すればもうすこし安い価格で求人サイトに掲載できるといった点で始まったのが自社採用サイトです。それが、オウンドメディア(自社採用サイト)への転換です。

オウンドメディア(=Owned Media)とは、自社で運営・管理するメディアのことです。求人募集のステージで言えば、自社の募集案件だけが掲載されている冊子や(求人)サイトが採用のオウンドメディアと呼ばれます。

メジャーな求人サイトは、オウンドメディアとは比べ物にならないくらい大きな集客力を持っています。SEO対策ができている、大きなドメインパワーを持っているからだけではありません。プロモーションに対する莫大な広告費の投下もその一因です。大きな集客力があるからこそ、掲載をお願いする会社も比例して多いのです。

別の視点から見れば、そのサイトという土俵ではライバルとなる会社がたくさん募集情報を掲載しています。そのような状況のなか、自社の案件を見てもらって、さらに応募をしてもらうまでの間の損失も相当あると言えます。

  1. 他社の求人募集による応募者離脱の防止
  2. 求人広告費の有効活用
  3. 自社案件だけを見てもらいたいという発想

こうした背景から、業界を問わず自社採用サイト(オウンドメディア)の活用が進んでいるのです。

トレンド変化④ 求人広告における課金システムの変化

求人広告の掲載に対する広告費の支払い方法にも変化が生じました。今までは、掲載したものに対する課金となる「掲載課金」のスタイルが中心でしたが、最近は大きく変化してきています。

掲載課金1回掲載するごとに所定の金額が広告費としてかかる
応募課金1件の応募があるごとに所定の金額が広告費として課金される
採用課金1件の採用があるごとに所定の金額が広告費として課金される
クリック課金原稿が1回クリック(詳細表示)されるごとに所定の金額が広告費として課金される

応募課金・採用課金プランの特徴やメリット・デメリット、具体的な内容については別記事をお読みください。

成功報酬型求人メディア紹介&メリット【応募課金・採用課金】

応募課金、採用課金、クリック課金、すべての課金パターンに言えるのは、インターネットメディアだからこそ普及したプランだということです。掲載課金よりも、掲載のハードル自体は低くなったと言えるはずです。

掲載途中であっても掲載ストップが自由にできるケースが多いのもメリットとして考えられているようです。そういった点ではより時代のニーズに合致した課金プランだと言えます。

トレンド変化⑤ 自社採用サイト(オウンドメディア)の活用

最近は、自社で採用サイトを作る会社も徐々に増えてきました。オウンドメディアとは自社の情報を発信するメディアだと考えれば十分です。紙メディアであったり、ネットメディアであったり、形態はいろいろです。ただし、一般的にはネットメディアを指す方が圧倒的に多いと言えます。

一般的に言われる、オウンドメディアのメリット・デメリットについて考えてみました。

メリット
・一般的な求人サイトに掲載するよりもコストを抑えることができる
・随時、公開や修正が可能なので、急な人材募集にも柔軟に対応することができる
・案件掲載数に関わらず月額の求人広告費は一定額に抑えることができる
・自社の求人案件のみの掲載しかないので他社募集案件への流出を防ぐことができる
・応募者管理機能の付いた採用ホームページもいくつかリリースされている
デメリット
・運用の成否は自社のブランド力が全てのカギになってしまう(ブランド力のない会社は厳しい)
・一定の成果が出るまでにある程度の期間が必要となる(即効性がない)
・成果を出すには労力とコストがかかる(求人広告費以外の要素が欠かせない)
・オウンドメディアだけで採用サイクルを回していくことは非常に困難(採用ボリュームが少ない)
・システムトラブルなどに対応できるスタッフや部門が必要となる

メリットとデメリットを比較したときに、得られるメリットの方が大きいのです。ちなみに、本記事で言うオウンドメディアとは、自社の求人案件だけを掲載した自社の求人サイトを指しています。

オウンドメディアは、自社の貴重な資産としても活用できるもの。だからこそ、今後の活用方法も含めて長期的な運用方針を定めて、会社として運用していくことが大切だと言えます。

トレンド変化⑥ indeedという求人サイトの台頭

indeedという求人サイトは、2009年に日本で運営されるようになりました。スタートした当時は「アグリゲーションサイト」の位置づけでしたが、今では一般的な求人サイトと実質的には何も変わらなくなりつつあります。

国内で運営されている求人サイトのほとんどが、indeedへの連携を強く意識しています。連携サイトが増えることで、求人募集側にとっても求職者側にとってもメリットは大きいのですが、各求人サイトの独自感が無くなってしまったとも言えます。

色々な連携サイトがあるのですが、個別に掲載する意義が無くなってしまいましたね。どこか1つのサイトに掲載すれば、indeedで求人情報が閲覧できるのですから。

もちろん、それぞれの求人サイトごとに独自のユーザーがいるのも事実ですが、求職者側もindeedにシフトしつつあるので少ないシェアを意識して、そこに対して攻めていくのは非常にナンセンスだということになります。そこに投下するくらいであれば、indeedに連携していないサイトを意識した方が得策でしょう。

とは言え、indeedと連携していないサイトと言えば知名度が低い新興の求人サイトであるケースが多いので、結論としては自社の採用サイトとindeedの2本にまずは専念していく方がベターな選択肢となってしまいます。

【本記事のまとめ】採用手法の基本は自社採用サイトとindeedの活用が現段階では理想

自社採用サイトを運用する会社数は増加傾向にあります。そして、そのサイトにかける経費自体も増えていっています。単純な経費だけでなく、人的なコストも同様です。それが、2026年時点の全体的なトレンドだとも言えます。

求職者の目線で言えば、圧倒的に「indeed」です。求人保有数の数だけで言えば、他の追随を許しません。サイト自体の知名度の高さもあります。求人募集するときに、わざわざindeedを外して求人募集すること自体が全くのナンセンスだと言えるのです。

結果的に採用手法のベースは、「自社採用サイト」+「indeed」となります。かなり絞った形で求人募集するのであれば、この2本で落ち着くことになると言えます。

自社採用サイトだけで採用を完璧に回していくには莫大な労力とコストがかかるのです。知名度などを加味した場合は現実的に不可能とも言えます。オウンドメディアの成功の一番の近道は、あくまでもメディアミックス。そして、そのミックスの相手として筆頭の立ち位置にあるのが「indeed」ということになります。

ちなみに、目安としてはオウンドメディアだけで全体応募の7割くらいを占めることができるまでは、メディアミックスで併用するのがベストです。

過去データになりますが、実際に求人広告費と実際の応募シェア率の事例を見てみました。参考に見てみてください。

2020年8月度の実績
・求人広告経費のなかでオウンドメディアが占める割合(15%)
・全応募者のなかでオウンドメディア経由の占める割合(22%)
・全採用者のなかでオウンドメディア経由の占める割合(20%)
数ヶ月後の実績
・求人広告経費のなかでオウンドメディアが占める割合(18%)
・全応募者のなかでオウンドメディア経由の占める割合(20%)
・全採用者のなかでオウンドメディア経由の占める割合(15%)

このような状況では、オウンドメディアだけでの運用はまだまだ先のことだと言えます。ただ、オウンドメディアの方が少しだけ効率よく母集団形成ができるというメリットも見えました。

さらに数年後、改めてリサーチしてみました。

2024年12月の実績
・求人広告経費のなかでオウンドメディアが占める割合(41%)
・全応募者のなかでオウンドメディア経由の占める割合(57%)
・全採用者のなかでオウンドメディア経由の占める割合(53%)

前回調べた時と比べてシェア率は大きく変わりましたが、この状態でもオウンドメディア1本だけでの求人募集はまだまだ十分な状況と言えません。

本記事の内容(もう一度)
✅最近の採用手法のトレンド変化

✅採用における自社サイト(オウンドメディア)の活用

✅オウンドメディアを通してできること

✅オウンドメディアを使うメリット・デメリット

✅indeedについて

本記事のまとめ
● 最近の採用活動のトレンドは自社採用サイト(オウンドメディア)にある
● オウンドメディアを活用する会社は増加傾向にある
● オウンドメディアは長期的な視点を持って運用する必要がある上、コストや労力も相当かかる
● オウンドメディアは自社の財産とも言える貴重な存在
● 運営が軌道に乗るまでは知名度の高い求人サイトをうまく併用すべき(オウンド一本では貧弱)
● オウンドメディアにもメリット・デメリットはあるが、最終的にはメリットのほうが大きくなる
● 絞って求人募集するのであれば、自社採用サイトとindeedの2本がオススメ

本日は以上です。

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