2021年10月に過去最大スケールで最低賃金引き上げが行われました

アドバイスさせていただきます。

毎年10月になると全国で最低賃金の引き上げが行われます。

都道府県によって、上げ幅や施行日は少し異なります。

夏ごろになると、これだけ上がる予定ですよというジャブが会社側にも働く人にも打たれます。

金額が下回らないように気を付けなければいけません。

最低賃金について

最低賃金は時給額で示されます。法律の根拠は、実は労働基準法ではなくて最低賃金法になります。

使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。

最低賃金法 第4条

都道府県ごとで最低賃金額が違います。2021.7.16時点の全国の最低賃金額は次のとおりです。

同じ日本国内でも、大きな差があります。

一番高いのは東京都（1,013円）、一番低いのは沖縄県ほか（792円）と時給額でも221円の差です。

こうして並べて見てみると、かなりばらつきがあります。

注意点①…最低賃金が２つある

先ほどの県ごとの最低賃金は「地域別最低賃金」、もう１つは「特定最低賃金」と呼ばれます。

最低賃金には２つの設定があります。

分かりやすく言えば、業種によって最低賃金が設定されているということです。

特定最低賃金が意外と忘れられがちです。

愛知県を例に見てみます。

特定最低賃金の方が優先されます。

例えば愛知県（927円）でも、自動車小売業に従事している場合は943円という最低賃金が適用されます。

注意点②…月給や日給の人

最低賃金は時給での表記でしたので、月給や日給の人は時給に換算すればいいだけです。

例えば、日給8,000円の人が実働８時間の場合は、8,000÷8＝1,000円が計算のベースになります。

月給20万円の人が稼働日数が１ヶ月に21日、実働１日8時間の場合は、200,000÷21÷8＝1,190円です。

毎月定額的に支払われる給与額がベースになります。

月給で支払っている場合はとくに注意が必要です。

極端な例を出すと、

あくまでも、固定的に必ずもらえる給与額がベースになるので要注意です。

2019年10月→2020年10月の改訂額

2020年の10月はコロナウイルス感染拡大による景気悪化のため、最低賃金額は全国的にほぼスライドでした。

会社側に対する配慮が働いたと言われています。

2020年10月時点の最低賃金の上げ幅です。（2019年対比）

2021年10月に大幅上昇

2020年10月とは違って、2021年10月は一転大幅引き上げとなりました。

正確には、中央最低賃金審議会（厚生労働大臣・都道府県労働局長の諮問機関）の決定です。

必ずそうなるというわけではありませんが、ほぼ間違いなく引き上げとなります。

大幅な上昇になった理由として考えられるのは

コロナ禍が続いており、そんなに上がらないという予測もありましたが、違った形となりました。

2020年までは、全国をA・B・C・Dの４つのランクに分けて、それぞれの上げ幅がありました。

2021年は全国ほぼ一律で+28円（一部地域が+30円）という状況になっています。

2021年10月からの最低賃金額です。（2021.7.16現在）

【まとめ】自エリアの最低賃金に十分注意すること

2021年10月は最低賃金の大幅な引き上げが行われました。

例年とは違って、全国ほぼ一律で28円（一部地域が30円）の上げ幅です。

パートタイマースタッフ、アルバイトスタッフを抱える会社は、いま一度スタッフの時給額を確認していただいて、法律に抵触しないようにご配慮ください。

本日は以上です。