求人サイトに関係する法律が変わったと聞きました。
どんな内容の法律なんですか?
アドバイスさせていただきます。
・改正によって気を付けるべき人は誰なの?
・どんなことをしてしまうと法律に抵触するの?
令和4年10月1日に改正職業安定法が施行されています。
法律の改正は、公布にて告知がなされ、一定期間の後に施行となるものの、なかなか分かりにくいのも事実。
備忘録も含めてポイントを把握しておきたいと思います。
職業安定法の改正ポイント
改正の要旨については、公的な機関のものを見ることから始めるべきです。
「令和4年職業安定法の改正について」(厚生労働省)
今回は「職業安定法」ですので、まずは厚生労働省からのリリースは真っ先に抑えておくべきです。
公式サイトで概略を理解して、さらに理解を進めたい場合や実務面で困ったときは管轄のハローワークに問い合わせてみるといいです。
・求人等に関する情報の的確な表示の義務化
・個人情報の取扱いに関するルール整備
・求人メディア等に関する届出制の創設
求人メディアへのルール強化
今回の職業安定法の改正で、求人メディアへのルール強化がなされました。
「募集情報等提供」の定義拡大
今回の法改正で、事業者を4つの類型に分けています。
①号:求人メディア、求人情報誌、ビジネス系のSNS
②号:クローリングタイプの求人サイト
③号:人材データベース、ビジネス系のSNS
④号:クローリングタイプの人材データベース
やはり法解釈は難しいものがあります。
募集企業から依頼を受けて求人情報を掲載する求人サイト、その募集をみて仕事に応募する求職者、これら双方のからそれぞれの情報を預かることが「募集情報等提供」に該当していましたが、それを拡大するといったものです。
①号は、今まで通りで求人サイトや求人誌を運営する会社
②号は、indeedや求人ボックスなどを代表例とするアグリゲーションサイトを運営する会社
③号は、求職者の情報をデータベース化して募集企業に提供する会社
「特定募集情報等提供事業者」への規制
求職者に関する情報を取り扱いしている事業者は事前届け出が義務付けられています。
チャートによると、現在厚生労働省が把握できている入職経路が全体の約26%と言われています。
求人メディア経由で入職する人が34%、そこを獲得する狙いがあるのだと思われます。
届け出が必要な例としては
- 会員登録を求めている場合
- メールアドレスを集めて配信している場合
- 閲覧履歴に基づく情報提供をしている場合
基本的にはすべての状況が把握しやすい求人サイトが対象となるため、求人誌だけを運営している場合は対象ではありません。
求人情報の的確表示
書面での募集にしても、ネット上での募集にしても、ルールが設けられました。
- 募集情報等提供事業者の的確表示義務
- 求人企業の的確表示義務
求人メディアに対しても、募集情報を掲載してもらう会社に対しても義務付けられました。
・求人情報は正確、かつ最新のものでなければならない
・虚偽の表示や誤解を招くような表示はいけない
そのほかの規定
そのほかに、個人情報の取扱いに関する内容や、苦情処理、情報公開に関する規定が設けられています。
そして、労働行政が「改善命令」を発することのできる権限を持つことが明記されています。
【まとめ】法改正についてはポイントを必ず抑えるべき
法律の改正は、定期的に行われるものです。
本来は、その度に内容を把握して実務に生かすことができるのが理想的です。
とはいっても、なかなか全部を把握するのが難しいのも事実。
ポイントだけはしっかり理解しておくべきです。
今回の改正ポイントは多くありません。
- 求人メディアに対するルールが強化された
- 一般的な求人サイト、アグリゲーションサイト、求職者のデータを扱う企業が新たに対象となる
- 求人情報は正確に表示しなければならない
- 違法な取り扱いがあった場合は改善命令を発することができる
以上、4点のポイントです。
・今回の改正で求人メディア全般や求職者情報を取り扱う事業者に対してルール強化がなされた
・改正の趣旨は労働市況の正確な把握にあることがかんたんに予想される
・ルール逸脱による改善命令を受ける可能性がある
本日は以上です。